もしかして?ウィルス感染!?
Webサイトを閲覧していると、いきなりウィルスに感染しています。などと不安を煽るような画面が表示されることがあります。このような画面に遭遇すると不安になりますが果たして本当にウィルスに感染しているのでしょうか。今回はこれについて検証をしていきます。

どうやらAppleの公式ホームページらしきデザインです。私が使っているPCがmacOSだからでしょうか。どうやら私のPCがウィルスに感染していると主張しているようです。
まず、いきなりツッコみます。そもそもブラウザでウィルスに感染しているかチェックするのは原理上不可能です。なぜなら、ブラウザからPC内部のローカルストレージにはアクセスできません。つまり、どのファイルも調べることができないので、このポップアップが主張するようなトロイの木馬ウィルスも検出できないわけです。この時点でさっさとページを閉じましょう。
しかし、今回は青い今すぐスキャンを試してみます。

それらしい、画面が出てきました。この画面だとドキュメントディレクトリをスキャンしているようです。しかし、上述したようにブラウザからローカルストレージにはアクセスできません。従って、ドキュメントディレクトリを見ることはできません。

スキャンが完了すると、macはウィルスに感染しているのでウィルス対策ソフト?でしょうか、これをダウンロードするように表示されます。この時点で嘘なのはわかっていますが、この情報がどこまで正確で、どれだけデタラメなのか検証してみます。
まず、ウィルス名にタップスネーク, CronDNS, Dubfishicvと並んでいます。どうやら3つのウィルスに感染していると主張したいようです。しかし、これは全てデタラメです。まず、そんな名前のウィルスはありません。試しに、これらのウィルス名をGoogleで検索すると、この記事と同じような内容のブログがたくさんヒットします。
次に、感染したファイルのところを検証します。
/os/apps/hidden/...
ここに記載されているのはUNIX系OSのファイルパスというものです。例えば、あなたのMacのドキュメントディレクトリにdocument.docxというファイルがあった場合、ファイルパスは/Users/ユーザー名/Documents/document.docxになります。ここでは、実際に/os/apps/hidden/…というファイルパスが存在するか確認します。

なんと、いきなりNo such file or directory(そのファイルまたはディレクトリは存在しません)と表示されてしまいました。これもデタラメです。
次に、今すぐウィルスを削除を押すととあるウィルス対策ソフトのような販売ページに誘導されます。このソフトは評価は著しく低く信頼性がないので購入をしないことをお勧めします。中には、ウィルス対策ソフトと言いながらそれ自体がウィルスということもあります。注意するようにしましょう。
結論
Webサイトは便利なものがたくさんあります。しかし中にはPCの環境を破壊したり、不正な商品を販売するリンクへ誘導したりと悪どいものもあります。ウィルス対策ソフトがブロックしてくれる場合もありますが、全てをカバーできるわけではありません。ウィルス対策ソフトに頼るのではなく自らも判断できるようにしておくことが大切です。